スマートフォンを日常的に使用していると、指先の乾燥、手汗や脂、画面の汚れなどが原因でタップしても反応しないことが多々あります。
また、最近のスマートフォンアプリの中には、UIの一部が画面端に配置されていて、タップしてもなかなか反応しないケースが散見されます。このケースのほとんどは、画面保護フィルムを剥がすことで解消されるものですが、スマートフォンは高級品であり、外出先でも使用することを考えると、簡単には画面保護フィルムを剥がせません。スマートフォンが曲面ディスプレイを採用していて、スマホケースとの相性から画面端のタッチ操作が困難なケースも考えられます。
上記のような問題を解決する手段として、スマートフォンのタップ操作をタッチパッドで代用することは考えられないでしょうか。
筆者の場合は、特定のスマートフォンアプリを使用する場合は、実際にタッチパッド付のBluetoothキーボードを接続して、タップ操作を代用しています。正確にはマウス操作と同じように、タッチパッドでマウスカーソルを移動させ、クリックすることでタップ操作を再現します。
本記事では、筆者が実際に愛用しているタッチパッド付のBluetoothキーボード「Bookey touch」の紹介と使用感(メリット/デメリット)を紹介します。
タッチパッドのみでも十分に実用的ですが、キーボード操作も可能なため、チャットやSNS、グーグル検索やブログ執筆まで、幅広く使用できます。また、感染症対策として、スマートフォンの画面を極力触りたくないといった方へのニーズも満たすことができるのではないかと考えています。
1. 製品仕様
サイズ | 最大時 横278mm×縦90mm×厚み10mm (収納時 横157mm×縦90mm×厚み15mm) |
![]() (上)Fire HD 6タブレット(6インチ)、(下)Bookey touch |
重量 | 200g | Fire HD 6タブレットの重量は290g |
キー配列 | 英語配列 (キー数:63キー) (キー方式:パンタグラフ) (キーピッチ:16mm) (キーストローク:2.0±0.5mm) |
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接続方式 | Bluetooth 3.0 | ー |
充電方法 | USB端子より充電 (USB規格:Micro USB Type-B) ※Androidスマホやタブレットなどと同じ |
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連続稼働時間 | 最大 60時間 (待機時間 最大 2000時間) |
ー |
対応機種 | ・Windowsパソコン ・Androidスマートフォン ・iPhone、iPadシリーズ ・Mac |
・Windows10 以降、Bluetooth搭載機種 ・Android OS 4.4 以降 ・iOS 9 以降 ※タッチパッドの使用はiOS 13/iPadOS 13.1 以降 ・MacOS 10.11 以降、Bluetooth搭載機種 ※Rasbianを搭載したRaspberry Pi上でも動作することを確認しています。 |
2. 使用方法
電源ON/OFF | 電源ON:左右どちらかを展開する 電源OFF:左右両面を収納する |
![]() ※右のみ展開することでタッチパッドのみを使用することも可能です。 |
ペアリング方法 | ①「登録番号」を選ぶ 「fn」+「登録番号」※ ※タッチパッド上の電波マーク②ペアリングモードに切り替える 「fn」+「C」③接続先の端末のBluetooth設定で「Bookey touch」をペアリング対象に選択する |
![]() ※登録番号ごとに最大3台の端末と同時にペアリングが可能です。 |
Bluetooth接続方法 | ①「登録番号」を選ぶ 「fn」+「登録番号」 |
ペアリング済みである必要があります。 「登録番号」を選びなおすことで、直ぐに端末を切り替えることが可能です。 |
入力モードの切り替え | ①接続先の端末に応じたキーを押下する ・Android:「fn」+「Q」 ・Windows:「fn」+「W」 ・iOS/MacOS:「fn」+「E」 |
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日本語/英語入力の切り替え | ①接続先の端末に応じたキーを押下する ・Android:以下4つがマニュアルに記載の候補(1)「full/half」 (2)「alt」+「スペース」 (3)「shift」+「ctrl」 (4)「shift」+「スペース」 ・Windows:「full/half」 ・iOS/MacOS:「ctrl」+「スペース」 |
・Android OS 11のXperia 5Ⅱでは、「alt」キーのみで日本語/英語入力の切り替えが可能なことを確認しています。 ・Mac OS 10.11 以前およびiOS8.4.1 以前の場合は、「alt」キー+「スペース」キーで日本語/英語入力の切り替えが可能です。 |
タッチパッドの使用方法 | ・パッドをタップ:左マウスクリック ※「fn」+「ctrl」で無効化が可能 ・1本指でスライド:マウスカーソル移動 ・2本指でスライド:画面スクロール ・2本指でピンチ:拡大縮小 ※Windowsのみ |
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主な特殊キー | (Windowsのみ) ・メールソフト起動:「登録番号」の2番 ・スクリーンショット:「fn」+「V」(Androidのみ) ・一つ前に戻る:「fn」+「#/3」(共通) ・「fn」キー無効化:「登録番号」の1番 ・タッチパッド無効化:「登録番号」の3番 ・ホーム画面に戻る:「fn」+「!/1」 ※Windowsはwebブラウザ起動 ・再生/一時停止:「fn」+「*/8」 ・曲/動画戻し:「fn」+「&/7」 ・曲/動画送り:「fn」+「(/9」 ・音量を上げる:「fn」+「+/=」 ・音量を下げる:「fn」+「ー/-」 ・ミュート:「fn」+「)/10」 |
・マニュアル上では、「一つ前に戻る」はAndroid 8 以降は使用不可と記載されていますが、Android OS 11のXperia 5Ⅱでは正常に機能しています。 |
3. 使用感
3-1. メリット
①ソーシャルゲームのプレイ時
筆者が実際にプレイしている「NieR Re[in]carnation」「プリンセスコネクト!Re:Dive」は、戦闘時の設定画面を開くボタンが小さく、画面上部の右端に配置されているため、一回のタップ操作では反応しない(誤タップ)ことが多々あります。設定画面を開く目的としては、強力な相手との戦闘時に、一時停止し戦略を練る場合やリタイヤする場合がほとんどのため、誤タップは致命傷になり得ます。さらに、「NieR Re[in]carnation」では、画面上部の「auto設定」「2倍速」設定についても誤タップが頻発し、設定を解除できない場合も戦略が崩れることで致命傷になり得ます。
この2つのソーシャルゲームのプレイ時には、「Bookey touch」のタッチパッドが非常に有効だと実感しています。「Bookey touch」のタッチパッドをスライドさせることで、スマートフォンの画面上のマウスカーソルを移動させることができるため、小さいUIであっても誤タップすることはありません。また、指や画面の状態によらずに正確なタップが可能です。また、タップを連打するような状況でもパンタグラフ方式でボタンを押下できる「Bookey touch」の方が数倍は利便性があると思います。
ソーシャルゲームを日常的にプレイする方には、この「Bookey touch」はとてもおススメです。
タップ(誤タップ) | タッチパッド | |
NieR Re[in]carnation | ![]() |
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プリンセスコネクト!Re:Dive | ![]() |
![]() |
②音楽再生時
「Bookey touch」では、「2. 使用方法」で紹介した特殊キーを使用して、曲の「再生/一時停止」「曲戻し/送り」「音量を上げる/下げる/ミュート」まで行うことができます。スマートフォンのロック状態を解除しなくて良い点でとても利便性が高いと感じています。
スマートフォンを主に音楽再生用に使用しているという方にも、「Bookey touch」はおススメできます。
③VR動画再生時
一部のVR動画コンテンツでは、「Bookey touch」の左クリック入力を受け付けるものがあります。VR動画コンテンツによっては、専用のコントローラーがない状態では「表示領域のリセット/スライド」や「動画の巻き戻し/早送り」ができないものがあります。ゴーグルを付けた状態では画面をタップできないためです。こういった場合に、「Bookey touch」のタッチパッドがコントローラーの代替となる可能性があります。
筆者の方で確認できた動画コンテンツは下表の通りです。「DMM VR動画」では、「Bookey touch」のタッチパッドが有効で、「表示領域のリセット/スライド」や「動画の巻き戻し/早送り」が可能です。
対応 | |
DMM VR動画 | 〇 |
VR SQUARE | × |
④全般
サイズはAmazonの6インチタブレットより小さく、重量も軽くなっています。スマートフォンと一緒にパンツのポケットに入れていても問題はなく、荷物になるということはありません。バッテリー持ちも最大 60時間(待機時間 最大 2000時間)と非常に長いため、使用時にバッテリーが切れるということもほとんどありません。筆者の方でも、数回しか充電した記憶がない程です。
AndroidやiOSのみならず、Windows10などのPC上でも動作するため、外出先での業務やブログ執筆にも重宝すること間違いなしです。
3-2. デメリット
①キー入力時
キーピッチ、キーストロークは、一般的な18.5mm~19mm、3~4mmよりも狭くなっているため、キー入力時は窮屈さを感じます。Enterキーも小さく、誤入力は頻発してします。業務やブログ執筆で使用する場合は、あくまで下書き用の原稿作成や資料の微修正程度に使用する目的が望ましいと感じました。
また、半角/全角の切り替え時に対象のドキュメントが非アクティブ状態となってしまうため、修正箇所を再度選択することが必要になります。キー入力時には、タッチパッドを誤操作してしまう恐れがありますが、任意にタッチパッドを無効化することができるため、こちらはデメリットに感じる程ではありません。
②マニュアルが不十分
スマートフォンで使用する場合の半角/全角の切り替え方法や、特殊キーに関する情報が少なく、実際に試行錯誤する必要があります。インターネット検索をして得た情報でも、OSにより挙動が異なる可能性があるため、購入するまで実際の挙動を確認できません。
購入時は自己責任が求められてしまいます。
4. まとめ
マニュアルが不十分なことや、サイズが一般的なものより小さいことから、操作に慣れるまでに時間がかかりますが、ソーシャルゲームの操作や、音楽・動画再生、キーボード入力と幅広いコンテンツで使用できるため、コスパは非常に高いと感じました。
スマートフォンで使用できるBluetoothキーボードをお持ちでない方は、1台は持っておいて損はないと思います。