Visual Studio Code(以降はVSCodeと呼称)の拡張機能「Remote Development」を使用すると、クライアントのVSCodeからRaspberry Piのフォルダツリーの閲覧やファイル操作、ターミナルからBashコマンドを実行することが可能になります。コーディングのみならずVSCodeのデバッグ機能や拡張機能をそのまま適用することができるため、Raspberry Pi上での作業効率化に繋がります。
VSCodeのリモートSSHと合わせて、「VNC Viewerによるリモートデスクトップ接続」「sambaによるファイルサーバ化の設定」を完了させておくと、Raspberry Piに直接ログインすることなく、ほとんどの操作をクライアントPCから実施可能となります。Raspberry Pi用にディスプレイや、キーボード・マウスといった周辺機器を準備する必要がなくなるため、Raspberry Piを購入した場合は、まずこの3つの設定を済ませておくことをお勧めします。
本記事では、VSCodeのリモートSSH接続の設定方法を紹介します。前述のsambaによるファイルサーバ化の設定を行う場合は以下の記事を参考にしてください。
この記事では、Raspberry Piをファイルサーバ化する方法をご紹介します。 ファイルサーバ化することで、別のクライアントマシンのエクスプローラからRaspberry Piのストレージ領域に直接アクセスすることが可能となります。 […]
動作確認環境
CPU: Intel Core i7-9750H
VS Code: version 1.53
Visual Studio Code(以降はVS Codeと呼称する)は、Microsoft社が提供するコードエディタで、拡張機能が豊富なことから導入している方も多いと思います。 実際、私の勤務先でも日常的に使用しています。Remot[…]
(サーバマシン)
OS: Raspbian Buster with desktop
Raspbian は下記の手順でインストール、設定したものです。
この記事では、Raspberry Piの購入後に実施する以下の2点について、書いています。 1. OS(Raspbian)インストール 2. 初期セットアップ この記事は以下のような方向けのものになります。 Raspberr[…]
1. 拡張機能「Remote Development」のインストール(クライアントPC側)
1-1. ブロックのアイコンメニューを選択し、検索バーに「Remote Development」と入力する
1-2. 「Remote Development」を選択し、「Install」をクリックする
1-3. モニター風のアイコンが追加されるので選択する
2. Raspberry PiのSSHサーバ機能を有効化(サーバマシン側)
2-1. Raspberry Piに任意のユーザでログインし、ホームメニューの「設定」->「Raspberry Piの設定」を選択する
2-2. 「インターフェース」タブで「SSH」の「有効」にチェックを入れて「OK」を選択する
※クライアントPC側のコマンドプロンプトから、以下のコマンドを実行することで、ssh接続が有効になっていることを確認できます。
3. SSHのconfigファイルの作成(クライアントPC側)
3-1. メモ帳などのテキストエディタを使用して、以下のフォーマットでconfigファイルを作成する
Raspberry Pi側でポートを変更されている場合は「port {ポート番号}」を、SSH接続方式を「公開鍵認証方式」としている場合は「IdentityFile {秘密鍵のパス}」を任意に追加してください。(configファイルの各項目の説明はこちらの記事が参考になります。)

4. リモートSSH接続の動作確認
4-1. 手順1-3と同様にモニター風のアイコンを選択する


「公開鍵認証方式」でSSH接続する場合は、公開鍵のパスワードが求められます。
4-4. フォルダツリーやターミナルから、Raspberry Piのリソースを閲覧できていることが確認できる
おまけ
VSCodeの拡張機能は、クライアントPCとサーバマシンで別々に管理されています。
サーバマシンのリソースに対してVSCodeの拡張機能を適用する場合は、拡張機能を「Install in SSH」ボタンから再度インストールする必要があります。