社会人でも大丈夫!?初のフルマラソンでサブ3.5を達成した10のポイント

社会人になってから「スポーツにまとまった時間がとれない」「健康を維持したい」といった理由から、ランニングを始める方も多いと思います。その上で、「フルマラソン」に挑戦したいと考えている方は、少しずつ走れる距離・タイムが伸びていき、一つは実績を作っておきたいと考えているのではないでしょうか。

私も上記のような理由からランニングを始め、2018年には半年間の調整期間を設けて、初めて出場したフルマラソンでサブ3.5を達成することができました。ちなみに私は過去に陸上経験はなく、当初の目標は「とりあえず完走」、「良くてサブ4」に設定していました。

生まれや体格、生活環境により、調整期間の長さに違いはあると思いますが、本記事にまとめたポイントを押さえることで、サブ3.5は必ず達成可能と考えています。具体的な練習方法は多くのサイトや書籍で紹介されているため、本記事ではあくまでも抑えるべきポイントのみにフォーカスしてお伝えできれば幸いです。

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ポイント1: マインドセット形成、個人心理学を理解する


マラソンのトレーニング場所としては、近所の市街、公園、土手、ジムなどが挙げられます。基本的に人目を避けることができません。

本格的にトレーニングを始めると、ウェアはボディラインがハッキリと出るものが多くなり、トレーニングの負荷を高めていくと汗の量も、息切れの度合いも大きくなります。

このような状態で、人目に触れることに恥じらいを感じているという方も多いと思います、私自身もそうでした。また、ランニングやマラソン自体の理解を身内から得られずになかなかモチベーションが上がらないという方もいるのではないでしょうか。

そのような方には、まず「個人心理学」を理解することをおススメします。「嫌われる勇気」という書籍のベースとなっている考え方ですので、ご存じの方も多いでしょう。

「個人心理学」を理解し、実践トレーニングを続けると、「自己」と「他人」の抱えている「課題」を明確に分離し、「他人」の「課題」には干渉しないように意識できるようになります。「課題」というと難しいですが、「他人」からどう思われるかという一点においては、最終的に判断するのは「他人」になるわけですから、それは「他人」の「課題」に分類されます。

ランニング、マラソンは基本的には個人競技です。「自己」の「課題」と直接関係のない「他人」の「課題」は適切に排除することが、マラソンのトレーニングとしては重要になります。

(まとめ)

  • 「個人心理学」を理解し、実践トレーニングを続ける
  • 「自己」と「他人」の「課題」を分離し、「他人」の「課題」には干渉しない
  • 「人目」「他人からの理解」は、「他人」の「課題」であることを理解する

 

ポイント2: 適切なトレーニング環境を作る


実業団に参加している方を除いては、時間・場所に限りがあり、中長期的なトレーニングを続けることが難しい方が多いと思います。しかし、努力と工夫しだいで、日々のトレーニングに適した環境を作り上げることは可能です。

通勤時間が長く、帰宅後に時間を取ることが難しいという方は、「24時間営業」「全国展開」「土足OK」のフィットネスジムに加入することをおススメします。私は「エニタイムフィットネス」に加入していました。都市部であれば、主要な駅前に店舗があるため、勤務時間の前後、合間にトレーニングが可能です。

金銭的に余裕がないという方は、「帰宅ラン」を取り入れることも有効になります。勤務先や、数駅前から、タクシーや電車を使わずに走って帰宅することで、トレーニングにもなりますし、交通費の節約にもなります。

残業が多く勤務時間が安定しない、会社の付き合いで時間を取ることが難しいという方は、勤務先や会社の同僚・上司に「自己」の目標を開示し、理解してもらうように努めてください。効果の程は仕事の特性や役職にもよりますが、ほとんどの場合で改善がみられるはずです。

(まとめ)

  • 「24時間営業」「全国展開」「土足OK」のフィットネスジムに加入する
  • 「帰宅ラン」を取り入れる
  • 周囲への目標の開示

 

ポイント3: ランナーにとって適切な体組成を知る


意識すべき体組成は主に「BMI」「体脂肪率」になります。

社会人になってから身長が伸びているという方は少ないと思います。そのため、「BMI」はそのまま体重と考えられます。体重を1kg減らすと、フルマラソンのタイムが約3分縮まると言われていますので、「BMI」は基本的に減らすことを意識しましょう。

「体脂肪率」とフルマラソンの関係性はイメージが付きづらいですが、人間の体が「体脂肪」と「筋肉」だけで構成されているとしたらどうでしょうか。「BMI」を維持したままに「体脂肪率」が減ったとするならば、それは「筋肉量」が増したことを意味します。「筋肉量」が多ければ、ランニングフォームのぶれが小さくなり、推進力が増します。また、単純に地面を蹴る力、体を前に引っ張る力が増すわけですから、フルマラソンのタイムは短くなるでしょう。

◆目標値

BMI: 20~22
体脂肪率: 12%~15%

 

ポイント4: ランナーにとって適切な体を作る


ポイント3で確認した数値を目標に、まずは体づくりをしましょう。体重が重たい、筋肉量が少ない状態で過度な走り込みをしてしまうと、故障を引き起こす可能性が高くなります。ランニングによる故障は復帰までに数週間~数か月に及ぶものもあるため、大会出場自体を断念せざるを得ない状態となってしまうかもしれません。

筆者の場合は、全6か月間の調整期間のうち、最初の1か月間は減量期間としました。減量メニューとしては、中度の糖質制限を行いつつ、ジムでの筋力トレーニング、および中二日程度のランニングに設定しました。

中度の糖質制限は、一日の糖質量を70g以下に抑えるというものです。糖質制限を続けると筋肉量が著しく減少してしまう恐れがあるため、この期間にはタンパク質の摂取と、筋力トレーニングを欠かさずに行うようにしましょう。筋力トレーニングでは筋持久力の向上に繋がる遅筋のみを鍛えるのが基本となります。遅筋は自重のみでも鍛えることが可能なため、自宅でも問題ありませんが、モチベーションの維持と、雨天でのランニングが可能なことを考えるとジムの会員となっておいて損はないと思います。特に社会人にとっては「土足OK」「24時間営業」「全国展開」のフィットネスジムをおススメします。仕事帰りや出張先であっても、トレーニングを続けることが可能になります。

ランニングのペース・距離としては、5分/km前後で10km~15kmに設定し、体調が優れないと感じた時には無理をせず休養を取るようにしました。一度、無理をして30kmに挑戦したこともありましたが、中度の糖質制限下であったことから、15km地点で眩暈を起こして電車で帰宅する、という苦い経験もあります。

◆筆者の実績

BMI: 24→22
体脂肪率: 16%→ 13% ※本番直前は10%
※体組成は、西武池袋本店の「カラダステーション」で測定してもらった結果で、ある程度は信頼できるものです。
「カラダステーションメンバー入会」の登録を行うことで、無料でカウンセリングを受けることが可能です。
◆筋力トレーニングメニューの例

アブドミナル: 30km×20回×3セット

チェストプレス: 15kg×30回×3セット

ショルダープレス: 20kg×30回×3セット

レッグエクステンション: 20kg×30回×3セット

レッグプレス: 40kg×30回×3セット

遅筋トレーニングでは、限界の6割程度の負荷で回数を多く設定することが求められます。負荷が高いと感じる場合は無理をせずに負荷を下げることが重要になります。
◆減量期間外の食事メニュー
減量期間外の食事メニューは以下の記事で紹介しています。食費を抑えつつ、健康と体力を維持できるため、食事以外にお金を少しでも多く使いたいという方におススメです。
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ポイント5: 目標達成に適切なペース、月間走行距離を知る


適切なペース、走行距離を事前に知ることで、目標に対する自分の実力を客観的に捉えることが可能になります。

サブ3.5を達成するために必要な平均ペースはキロ4分59秒です。キロ4分59秒で10kmを走破できないのであれば、目標に対して自分の実力が劣っていることは明白です。では、10kmをどの程度のペースで走ることができれば、目標に対して自分の実力が勝っていると言えるでしょうか。

自分の実力を測る上で、参考になる指標としては「ダニエル式」という方式があります。5km/10kmなどのレースタイムを基に、最大酸素摂取量から他のタイムを予測するというもので、私自身のレースタイムも、10km/Half Marathonのタイムからおおむね予測通りの結果となりました。

月間走行距離については、マラソンのレースタイムとある程度の相関がある、と言われています。そのため、まずは目標に対して適切な月間走行距離を知り、その距離を走れるだけの時間と実力を確保することが重要になります。

時間が確保できないのであれば、まずはポイント2を参考にトレーニングに適した環境をつくることに専念してください。カラダの疲労が抜けず、実力が伴わないと感じるのであれば、生活習慣や食生活、トレーニングメニューを見直して、ポイント3で紹介した体組成に近づける努力をしましょう。

 

(サブ3.5の適切なペース)

距離 タイム ペース
1500m 5分59秒 3分59秒/km
5km 22分0秒 4分24秒/km
10km 45分37秒 4分34秒/km
Half Marathon 1時間41分6秒 4分48秒/km
Full Marathon 3時間30分0秒 4分59秒/km

「ダニエル式」を計算できるサイトはこちら

 

(月間走行距離とマラソンのレースタイム)

レースタイム 月間走行距離
~3.0時間 250km
3.0~3.5時間 200km
3.5~4.0時間 140km

引用元:ランナー世論調査2015

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ポイント6: 自分の実力を知る


ポイント5で目標を確認した後は、自分の実力を確認する必要があります。実力が既に目標を上回っているのであれば、それを維持するか目標を上方修正することを考えます。実力が目標を下回っているのであれば、目標達成に適切なトレーニングメニューを考えます。

実力を知る方法としては、余力を残さずに全力で走ることで確認できます。全力で走って目標を超えられないのであれば、本番での実現可能性は低いと考えましょう。

実力については、ペースだけでなく距離についても知っておくと、大会本番での不安を解消することができます。大会本番の1か月前までを目安にフルマラソン以上の距離は1回以上は走っておきましょう。1か月前以内に長距離を走ってしまうと、疲労が抜けきらずに本番に支障をきたす恐れがあるため、注意が必要になります。

 

(おススメのスマートフォンアプリ)

ペーの測定には、「Nike Run Club」がおススメです。ペースや走行時間だけでなく、1km当たりのスプリットタイムも自動で測定できるため、自分のランニングの特性も把握することができます。また、信号で止まった際には、自動で測定が一時停止するため、正確な結果を測定することが可能です。「もっと詳しく見る」から詳細情報を見るとピッチなんかも確認ができます。

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月間走行距離の測定には、「LFconnect」がおススメです。GPSでワークアウト結果を自動的に記録することはもちろん、「LifeFitness」製のトレッドミルマシンと連携してワークアウト結果を記録することや、事後に手入力することも可能です。個人的には合計のカロリー量が見れる点もうれしい点です。

LFconnect

 

ポイント7: ゲーミフィケーションを導入する


漠然とトレーニングを続けていると、モチベーションが保てずに、前触れもなくトレーニングが嫌になってしまう恐れがあります。それを防ぐ方法として、ゲーミフィケーションを導入することが非常に有効と考えています。

ゲーミフィケーションには4つのタイプがあり、マラソンのトレーニングにおいては全てのタイプを導入することが可能です。

(説明)

タイプ 説明
アチーバー(Achiever) 目標を設定し、目標の達成度合いを認識することで、満足感を得る
エクスプローラー(Explorer) 経験を通して得た知識や、新たな発見を認識することで、満足感を得る
ソーシャライザー(Socializer) 他者との繋がりを認識することで、満足感を得る
キラー(Killer) 他者よりも上の立場に立つことで、満足感を得る

 

(導入例)

タイプ 導入例 補足
アチーバー(Achiever) 目標を適度に分割し、日常的にトレーニング記録を付けて評価する
目標は「月間走行距離:200km」「10kmのタイム:45分」など定量的かつ評価しやすいものとする
体組成を定期的に測定する
トレーニング記録はスマートフォンアプリで簡単に記録することが可能です。グラフ表示で実績の推移を視覚化すると実力が付いてきていることを実感しやすいため、おススメです。
体組成は毎日体重と体形のみを確認し、1か月に1回程度で体脂肪率、筋肉量を含めた体組成を計測すると良いと思います。
エクスプローラー(Explorer) ランニングコースを数週間、数か月おきに変更する
出先で、おススメのランニングコースを実際に走ってみる
日常的な移動や、通勤・帰宅時の移動方法をランニングに置き換え、周りの風景や街並みを改めて見返す
ランニングを続けて実力が付いてくると、周りの風景を楽しむ余裕が出てきます。風景を目的に遠出してみるのも良いですし、普段は電車や車で移動する道のりをランニングで移動することで、新たな発見があるかもしれません。
ソーシャライザー(Socializer) SNSでランニング記録を公開する
SNSでランニング関連のコミュニティに参加する
twitterを利用しているランナーは多く、ランニング記録を共有している割合は他のSNSと比べて多い印象があります。サブ3.5は市民ランナーの上位10%と希少なため、記録自体も最終的には自慢できるものとなります。そのため、リプライやいいねをもらう頻度が多くモチベーションを高く保つことができます。
キラー(Killer) twitterなどのSNSで他者のランニング記録を確認する
SNSでフォローしている相手とランニング記録を共有し、競い合う
サブ3.5を目指すランナー自体が少ないため、かなりの確率で他者のランニング記録を上回るタイムを出すことができます。他者のランニングを確認し、優越感に浸るのみならず、実力が近い相手と競い合うことでもモチベーションの維持には有効です。

 

ポイント8: トレーニングに音楽を取り入れる


音楽とランニングは、一定のリズムを刻むという点で、親和性が高いと考えています。

音楽を聴きながらランニングをすると、BPMとピッチが自然と近づきます。そのため、まずは目標とするペースでランニングをした際のピッチをスマートフォンなどで計測し、そのピッチに合わせたBPMの音楽のプレイリストを作成します。そして、ランニング時に作成したプレイリストを流すことで、自然と目標とするペースを保つことが可能になります。

プレイリストに登録するジャンルとしては、ビートの強いロックや、EDMがおススメですが、最終的には好みに合わせましょう。ランニングで辛い時に好きな曲がかかると、後5分だけ頑張ろうという気持ちになります。後5分を継続することで、今までに経験したことのない距離を無意識的に走ることも可能になります。

ランニング時に使用するイヤホンとしては、「完全ワイヤレス」「IPX5以上の防水性能」がある商品であれば、ランニング時にストレスなく使用可能です。以下の記事で、おススメのイヤホンを紹介していますので、気になる方はぜひご覧ください。

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(まとめ)

  • 楽曲のBPMと、ピッチを合わせる
  • おススメのジャンルは「ロック」「EDM」
  • 最終的にはプレイリストは好きな楽曲で構成する
  • イヤホンは「完全ワイヤレス」「IPX5以上の防水性能」

 

ポイント9: 適度に休養を取る


ランニングの故障率は30%以上と言われていて、アメリカンフットボールよりも高くなります。目標に対して実力が劣っているからと、無理なトレーニングを続けていると、故障を起こして大会出場自体を断念せざるを得ない状態となってしまうかもしれません。

月間走行距離200kmの目安としては、中一日で13kmで達成可能になります。毎日ランニングを続けて故障してしまうよりは、中一日程度の休養日を設けて、計画的にトレーニングを続けると良いでしょう。

仮に体調に違和感があった場合は、無理をせずにまとまった休養期間を設けた方が、後々のパフォーマンスは上がります。私自身も調整期間6か月のうち、最後の1か月間は2週間以上ランニングをしなかった時期がありました。しかし、それまで数か月間で培ったパフォーマンスは落ちることはなく、大会本番も目標を大幅に超える記録を出すことができました。

 

(まとめ)

  • ランニングの故障率が高いことを意識する
  • 中一日程度の休養は積極的に取る
  • 2週間程度の休養であれば、パフォーマンスに影響はない

 

ポイント10: 走ることを楽しむ


マラソンに挑戦する方は、既に走ること自体に楽しみを感じている方も多いと思いますが、ポイント7でまとめたゲーミフィケーションを導入することで楽しみは倍増します。新たな人間関係も広がり、仕事やプライベートにも様々は副次効果が期待できます。

ランニングは生涯スポーツとも言われています。生涯続けるスポーツだからこそ、楽しまなくては損です。仮に故障してしまったとしても、仮に目標が達成できなかったとしても、楽しむことを忘れずに継続できれば、必ず目標は達成できると、私は信じています。

 

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使いようによってはかなり重宝する商品です。

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